熱量を引き出し、高め合う、ダイアローグ

中央日本土地建物グループ 京橋エドグラン内SENQ京橋立ち上げメンバー
野口美隆

「京橋エドグラン」とは、東京メトロ銀座線「京橋」駅に直結し、オフィス、商業、公共共益施設や、中央区の指定有形文化財である「明治屋京橋ビル」から構成される高さ170m超の大規模複合施設。施設内には、再開発の事業推進を担った「中央日本土地建物」が運営を担うオープンイノベーションオフィス「SENQ京橋」が入居している。

———渡邉との出会いは?

野口さん: 2016年に竣工した再開発ビル「京橋エドグラン」の検討中のことです。私たちは大型再開発ビルを開発する時に求められる「公共貢献機能」の一つとして、エリアとの親和性が高い「食」をテーマとした新しいビジネスチャンスを作り出せる場をビル内に設けたいと考えていました。色々研究するなかで、渡邉さん の前職で開催された朝活に参加し「正にこういう場所を作りたいです」と相談させていただきました。

渡邉  :「食」がテーマだったこともあって、前職に相談いただいた時に私が推薦された、という経緯ですね。

野口さん:唐突な話にも関わらず渡邉さんが非常に興味を持ってくださって。「これは今まで日本にない取り組みだから、ぜひやりましょう」と言ってくださったんですよ。お仕事を受けていただけた、ということだけではなく、ご本人がすごく興味を持ってくれた、というのが嬉しかった記憶があります。

———実際にプロジェクトが始まってからはどんな相談をされていた?

野口さん:我々、不動産業は「建物をどう作るか」という観点に注力しがちです。そこで、新しく作る場で「どういうことが行われるのか」、はたまた自分たちが「本当にやりたいことが何か」という根幹の部分の掘り下げに丁寧に時間を割いていただきました。個別のサービス案を考える際にも、「それって基本に立ち返ったときに正しいですか?」と、結構鋭いご意見をいただいて。 そうした指摘が一つ一つあったから開業までブレずに進むことができたんだ、と思います。あとは、渡邉さん自身がすごく熱気のある方なので、それに引っ張られてこっちも熱が入りました。一緒に考えてくれるだけじゃなくてこっちの意識の部分まで引っ張り上げてくれる感じでしたね。

渡邉  :やっぱり大企業の中で新規事業を起こすってなかなか大変だと思うんですよ。だから、その中で担当されている方って、もともと熱い方が多いですよね。そういう熱量がある方じゃないと前に進まないというか。なので、私自身もそういうみなさんにすごく刺激をもらっていますね。そういう熱意をみんなで高めていけたっていうのはあったかもしれませんね。

野口さん:はい。まさに、相乗効果がありましたね。熱を入れすぎちゃうと周りがついてこなくなってしまう事があると思うんですけど、渡邉さんはしっかり真っ向から打ち返してきてくれたな、と思います。

渡邉  :ちょっと脱線しちゃうんですけど、私たちの仕事って失敗した時のリスクヘッジとしてのレポート作りとか淡々とした作業みたいなものも結構あるんですよね。ですが、御社の仕事はそれだけじゃなくて、一緒に新しく大きなものを作る楽しさというか、そういうのが私たちにとっても大きかったですね。もちろん、ハードの面はある程度決まっていたので、ソフトの面でどういう貢献ができるかの企画・提案として、コンテンツのネタ出し、マッチングなどをお手伝いさせてもらったって感じでしたね。

野口さん:そうやって打ち合わせを重ねていくうちに、もともと描いていたものよりも事業がどんどん拡大していって。最初に渡邉さんと一緒にやってなかったら、多分SENQってあんなに大きくなってなかっただろうなって思います。高回転で渡邉さんと対話をしていくうちに、社内外から期待されるものだとか、発信できるものがどんどん広がっていった感じでした。

———京橋の事業を立ち上げられた時は、すでに他のエリアの計画があったわけではなく?

野口さん:そうですね。最初は京橋だけで始まったプロジェクトでした。ですが、やっていくうちに「意外とこれは面白くなりそうだぞ」と社内からも期待が集まり、大きくなっていった感じです。