株式会社OCC
常務取締役 屋比久 友秀
「人間社会」と「コンピュータ」の調和をはかり人々の暮らしの中にコンピュータを取り入れ、社会の期待と信頼に応えるべく、地域社会の発展・成長の「縁の下の力持ち」として、「コンピュータ」を暮らしの中に届け、地域社会の情報化に貢献。(参考: https://www.occ.co.jp/company.html)
———渡邉との出会いは?
屋比久さん:弊社が沖縄県の海外展開事業に応募させていただいたのがきっかですね。渡邊さんはその事業のプロジェクトマネージャーをされていたので、最初のヒアリングの段階から入っていただいたのが始まりですね。最初の印象としては、いい意味で、他の方とは異なる雰囲気の人がいるなと思いましたね。
———そのプロジェクトに応募したきっかけは?
屋比久さん:弊社はIOTを使って、海ぶどうの生産性と品質を上げるプロジェクトに取り組んでいるのですが、当時、沖縄で海ぶどうを食べたというフランスの方から「フランスでも養殖したい」と連絡があったんですよ。とは言え、フランスで海ぶどうが流行するかどうかもまだわからない状態だったので、まずは、マーケティング調査からスタートしようと考えていた時に、沖縄県の海外展開事業を見つけて、応募させていただいたという経緯でしたね。
渡邉 :そうですね。それで、採択されてから一緒にマーケティング調査をしたり、飲食店の情報や、今のトレンドなどを情報共有したり、という感じでご一緒させていただいたんですよね。
屋比久さん:実は、その裏では沖縄の事業に採択された後に、一緒にやろうと言っていたフランスの方から「今年度はやっぱりできません」ってメッセージが来るという衝撃のエピソードもあったんですけどね(笑)。せっかく採択されたところで、いきなりハシゴを外されてしまったんですよ。結局、知り合いのツテを頼りに、フランスでコンサルティングされている日本人の方に出会いまして、縁あって、その方にもご相談させていただきながら、なんとかプロジェクトをつなげることができたんですよね。
———実際に一緒にプロジェクトを進めていくことで、何か変わったことは?
屋比久さん:我々だけでやっていた時は、やはり目の前の課題を1個1個、解決していくことばかりになってしまっていたんですよね。でも、渡邊さんに入っていただくことで、先を見据えて、「何年後かこんなことをやりたいから、現在こんな課題に取り組む」という行動ができるようになったと思います。自分たちは目の前のことに集中し、渡邉さんにサポートをしていただくことで、将来のことを意識しながら動くことができるようになったな、と。そういった「将来を見据えた道作り」が非常にありがたかったですね。
渡邊 :私としては、色々な視点からのお話しはさせてもらえたプロジェクトだったな、と思いますね。例えば、ピッチの話だったり、ビジネスモデルのスキームの書き方だったり。デバイスや技術って、売るだけではなく「リース」っていう発想もありますよね、というお話をさせていただいたり、今のトレンドとしては、オプションとしてプレミアムで使ってもらって、月次のランニングコストをいただくとか、そういった少し視点を変えたアイデアを提案させてもらいながら、ディスカッションしてた記憶がありますね。
あとは、レストラン界隈における海藻のトレンドや、シェフたちの今の視点、ヨーロッパのレストラン業界の情報など、そういったことをインプットさせてもらいましたね。
屋比久さん:それと、何をするにも、プロジェクト全体のストーリー作りと、関係者や協力者へ説明する時の根拠作り・資料作りが、やっぱり流石だなと、思いましたね。
———特に印象に残っているエピソードは?
屋比久さん:これは、渡邉さんではなく、チームの別の方と本音でお話をさせていただいた時の話なんですが、大変失礼ながら、「私はあんまりコンサルの人を信じていないんです」という話をさせてもらったことがあるんですよ。やっぱり、現場に立って、現場の人と言葉を交えて、手を動かして、頭で考えて、自分の目で見ている人の方が、説得力があるし、机上で考えた理論だけではダメです、みたいなようなお話を、今思えば凄く偉そうなことをお話したんですよ。そしたら、その方も、すごく一生懸命にやってくださったんですよね。今では、その発言を本当に撤回したいくらい、申し訳ないと思っているんですが、そのおかげで、本当に高評価な事業になりました。渡邊さんにもとても親身になって我々のプロジェクトを手伝っていただいて、感謝しかございません。
———現在はどんなことを手がけている?
屋比久さん:元々、海ぶどうの養殖がメインのプロジェクトではあったんですが、現在は、それだけでなく、二酸化炭素を削減するためのプロジェクトという位置づけにシフトしてきていますね。例えば、海ぶどう以外の海藻を使って、二酸化炭素の消費量を増やしていく技術だったり、今度はそれをアジアの方に輸出して、アジアの国の中で二酸化炭素の排出量の測定をやっていく、というったプロジェクトにも発展してきたりしていますね。
あとは、以前フランスに行った時に、渡邊さんにスペインで食のコンサルティングをされている方を紹介していただきまして、今は、その方と一緒に、スペインに弊社の養殖技術を持っていくプロジェクトを動かしています。そういった渡邊さんの人脈も非常に助かっていますし、私としては、今もなお、渡邊さんに一緒に事業を継続させてもらっていると思っています。
渡邉 :ありがとうございます。そうですね。今、海藻は、多方面から注目されてますし、ポテンシャルが高いものの一つですからね。またぜひ意見交換しましょう。 本日はお忙しい中ありがとうございました。またご連絡させていただきますので、引き続きよろしくお願いします。
人物紹介
株式会社OCC 常務取締役
屋比久 友秀
1971年生まれ。1998年OCC入社。OCCに在籍しながら米国フェルミ国立加速器研究所客員研究員、通信・放送機構研究員、東京大学医科学研究所客員研究員を歴任し、ビッグデータ解析に従事。沖縄のIT関連のコミュニティ立ち上げ・運営経験も豊富。アジアでのIT関連の講演も多数。2021年から(株)OCC常務取締役に就任。