株式会社タレントアンドアセスメント
代表取締役 山﨑俊明
『採りたい気持ちをカタチにしたい』をコーポレートスローガンに、対話型AI面接サービスSHaiNを主軸とした事業を展開。
SHaiNは、独自開発した戦略採用メソッドを基に人の代わりにAIが面接を実施することで、評価基準の統一、先入観のない公平公正な面接を実現。これまでも「遠方受検者への面接機会の提供」「面接評価レポートの有効活用」などが評価され、2022年12月末時点で約400社以上の企業が利用している。
———渡邉と最初に手がけたことは?
山﨑社長:タレントアンドアセスメントは、採用コンサルティングを行なっている会社ですが、クライアントからの依頼で卵のブランディングを手掛けることになったんですよ。プロダクトイメージは採用時の母集団形成の際に大きく影響するので、これも採用コンサルティングの一環と思って、私たちはお引き受けすることにしました。そこでまずは「どのようにターゲティングしていくべきなのか?」と思って市場調査から始めよう考えていたときに、私たちは市場調査の知見がなかったので、国内外の市場調査に強い、直さんに相談させていただいたのがお付き合いの始まりでした。
海外調査をするにあたって、直さんがチームとして一緒に動かれている調査会社や、分析リサーチ会社を手配してもらったんですよね。当時、卵を海外に持って行こうという動きは他の会社さんでも、ほとんど実績なかったので、全く新しいことに挑戦する、いわゆるブルーオーシャン戦略と言われるものでした。
それで、みなさんに手伝っていただきながら、当時、食材の宅配サービスを手掛けていた会社の顧客に対して、満足度調査をかけたんですよね。そしたら、安全・安心という面で全体的な商品に対しての満足度は高いのに、卵に対する満足度が低い会社があったんですよ。その結果を基に、その会社に対して私たちが手掛けている「ブランド卵」を提案させていただいて、卸すことが決まったんですよね。特に意識していたわけではないのですが、その会社が海外への宅配を始めたので、結果的には海外マーケットも開拓できたという流れになりました。
———当時の渡邊の印象は?
山﨑社長:我々のようなスタートアップがやろうとしていることって「0から1」の立ち上げなんですよね。誰もがやったことないことをやり始める。そのためには、初動で一緒に走ってくれるパートナーを見つけることがすごく大事なんですよ。「1から100にする」「100から1000にする」ときの方がパートナーを見つけやすいし、むしろ一緒にやりたいと手を上げてくれる方も出てくる。でも、「0から1」って成功するかどうかなんて誰もわからないことだし、どんな人でもパートナーとして伴走できるわけではないと思うんですよ。一番大切なことは、私たちが考えるクリエイティブなイメージやビジョンを共有できる相手じゃないといけない。その点からしても、直さんが私たちにとっての最良のパートナーであることは間違いないと思うんですよ。何だかものすごく、直さんの宣伝みたいになっちゃってますね(笑)。
渡邉 :ありがとうございます。そんな風に思ってくださっていたんですね。聞いてて感動しちゃいました(笑)。
山﨑社長:スタートアップ企業って、本当にありえないようなことばかりの連続なんですよ。そういう困ったときに、最初に相談できる方が直さんであることは、間違いないですね。
渡邉 :私自身、誰と話す時も「一番困っているポイントはなんなんだろう?」ということを意識してるんですが、やはりスタートアップの立ち上げ時って、細かい課題がいっぱい出てくるので、それを一つ一つ丁寧に解決しいったという感じですね。
あとは、スタートアップはみなさん即決で物事を動かしていくので、「上に聞かないとわからない」とか「返事を待つ」とかはせずに、僕もその場で自分の意見をきちんと伝えるようにしていました。会社(前職)に戻ってから上長に確認して、もし何か間違っていたら、その時に謝ろう、と。そういう意味では、僕自身もリスクを取って仕事していたので、そのスタンスも合っていたのかなって思いますね。
山﨑社長:それと、寄り添うことって誰でもできると思うんですが、スタートアップ企業にとっては、寄り添ってもらうことが重要ではなく、そのときに必要なものをもたらしてくれる人であることが重要なんですよね。例えば、我々が「ネジを締めよう」と一生懸命になっていたときに、実は本当にそこで締めなきゃいけないものはボルトだった、ということがあったとするじゃないですか。そういうときに「あ、これはネジじゃなくて、ボルトだね」というアドバイスは誰でもできると思うんですけど、「これはボルトだから、今必要なものはドライバーじゃなくてレンチだね」と、レンチを差し出せる方ってそんなに多くはいないと思うんですよ。そう言うふうに、常に的確に必要なツールや対処法を提示してくれていたのが一番の頼りになるポイントでした。
———印象的な出来事は?
山﨑社長:これは、今、手がけているAI面接サービスSHaiNの話なんですが、この事業が成長できたのも直さんの声掛けで参加したベンチャーピッチがきっかけなんです。今でこそA I面接っていうワードを少しくらいは聞いたことある方もいると思うんですが、当時(2018年頃)は、全くAI面接なんてワードは浸透していなくて、WEB面接とかも全くといっていいほど利用されていない時代だったので、これもまた「0から1」を始めるブルーオーシャン事業だったんですよ。
「まだAI面接というタイトルが決まっていない段階で、こういうことを始めようと思っている」という構想が生まれたときから直さんには相談させていただいて、あるとき、ベンチャーピッチに呼んでいただいたんですよね。直さん自身がそのピッチの立ち上げメンバーだったということもあって、多くのVCや協業検討企業のみなさんに注目していただいき、プレゼンが終わったあとには30〜40人の行列ができたのを、今でも鮮明に憶えていますね。銀行出身の私にとっては「こういう資金調達の仕方があるんだ」と、新しいチャンスを手にした瞬間でした。このときの経験がなければ、今の私たちは存在していないでしょうね。
———現在手がけていること、心がけていることは?
山﨑社長:私たちがやっているビジネスが「世の中の課題の解決するサービスになれば良いな」と思いますね。例えば、面接の課題って、「対面でなくても面接できる」とか「遠方の人も移動せずに面接できる」とか、そういう効率化を図るための手段の話ではなくて、採用における一番大事なポイントである、「ミスマッチを減らす」とか「見た目やジェンダーによるバイアスを減らす」とか、効率化じゃなくて見極めることなんですよね。面接における本質的な課題を解決するための答えが、AI面接だと確信したので、今はそれを手がけているんです。こういった本質的な課題解決をこれからもやっていきたいと思っていますね。
そのためにも、私たちの会社のフェーズがもう少し進んだら、直さんには外部監査役といったポジションでジョインして欲しいなってすごく思っています。
渡邉 :ありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです。では、またご連絡させていただきますね。本日はお時間をいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。
人物紹介
株式会社タレントアンドアセスメント 代表取締役
山﨑俊明
1973年、大阪府門真市生まれ。株式会社大正銀行、アクサ生命保険株式会社を経て独立。2011年に株式会社T&Aパートナーズを設立し、採用コンサルティングを主とした事業を展開。2014年には株式会社タレントアンドアセスメントを設立し、AI面接サービスの主軸となる「戦略採用メソッド」を確立し、2017年に対話型AI面接サービスSHaiNの開発に成功、サービス提供を開始した。